日本人9人目のプリツカー建築賞の受賞者が誕生しました。同賞を主催するハイアット財団が2024年3月5日、受賞者に山本理顕氏を選んだと発表。山本氏は、「1つの建築ではなく、私の長い歴史を調べ、いくつか現地も見た上で選んでくれたと聞き、非常にうれしい」と語った。授賞式は、シカゴ美術館で開催される予定。
プリツカー建築賞はハイアット・ホテル・グループのオーナーが1979年に創設した賞で、建築界のノーベル賞とも称される、世界的に注目度の高い建築賞の1つです。山本氏はその53人目の受賞者となります。これまで日本人では、故丹下健三氏、槇文彦氏、安藤忠雄氏、妹島和世氏、西沢立衛氏、伊東豊雄氏、坂茂氏、故磯崎新氏が受賞してきました。山本氏の受賞により、日本が世界で最も受賞者の多い国となりました。
←「くまもとアートポリス」の一環として建てられた「熊本県営保田窪第一団地」。設計を担った山本理顕氏は「完成当初は多くの批判にさらされたが、後に住民から使いやすいと感謝された。自分にとって重要なプロジェクトだ」と語っています。1991年竣工(写真:Tomio Ohashi)
←東京都江東区で都市基盤整備公団(現・都市再生機構)が整備した賃貸住宅「東雲キャナルコートCODAN」。山本氏はデザインアドバイザーとして全体のまとめ役を務めたほか、1街区の設計も手掛けました。2003年竣工(写真:Tomio Ohashi)
選出理由について、審査員のコメントでは次の3点を挙げています。「社会的需要に対する責任として、コミュニティーへの意識を高めたこと」「個々の建築の反響を調整するため、建築の規律に疑問を投げかけたこと」「建築においても、民主主義においても同様に、空間とは人々の決意によって生み出されなければならないことを私たちに気付かせてくれたこと」
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