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悠建築工房スタッフブログ

2018 Pritzker Architecture Prize

[2018.10.21更新]

 建築界最大の栄誉であるプリツカー賞に輝いたのは、低価格住宅のパイオニアと讃えられる90歳のインド人建築家、バルクリシュナ・ドーシ。インド人として初の受賞者となりました。ドーシは、自然や東洋文化、インドの寺院・霊廟やにぎやかな街角の生活を豊かな源泉として、力強い生命力にあふれた建築をつくり出す。プリツカ-審査員団はドーシについて「建設に携わった100以上の建築物にみられる類まれな才能、母国やコミュニティへの尽力と貢献、教育者としての影響力、長いキャリアを通して世界中のプロフェッショナルと建築の学生たちにとって、卓越した模範となったことを称える」と述べました。
 
 ドーシは1927年、インドの都市プネに生まれました。ヒンズ-教徒の親族たちは家具製作業を2代にわたって営み、幼少期から職人技術や空間比率の感覚に触れていたこと、また、3人の叔父とその家族を住まわせるために祖父の家を繰り返し増築して階を増やしていたことが、建築の道に進むきっかけになったと話しています。ドーシは、「私はずっと、空間は生きていると感じてきました。空間と光、そして空間の中に入り込んでくる動きが、私にとっては非常に重要なんです。そこから対話が生まれます。そこから活動が生まれます。そこから、人が生活の一部となり始めるのです。私の建築哲学は『建築は生活の背景である』なのです」と語ります。
 
 インドが独立を獲得した1947年、20歳のドーシはムンバイにあるインドでもっとも歴史と権威ある建築学校のひとつ、サー・J・J・スクール・オブ・アーキテクチャーで建築の勉強を始めました。1950年代には、伝説的なモダニズム建築家ル・コルビュジエのもとでシニアデザイナーとして働き、アーメダバードやチャンディーガルなど、コルビュジェのインドでのプロジェクトを指揮、その後、ドーシの事務所《ヴァスツ・シルパ》(右写真)は、インドにおける低価格住宅と近代的都市計画のパイオニアとして知られるようになりました。プリツカー審査員団による発表では次のように述べられています。「バルクリシュナ・ドーシが長年にわたって生み出してきた建築は常に真面目で、決して派手でなく、トレンドを追うこともありません。ドーシは、品質の高いオーセンティックな建築を通じ、母国と国民のために貢献するという深い責任感と意思をもって、行政機関や公共サービス、教育文化機関のための建築、個人向け住宅など、多様なプロジェクトに取り組んできました」
 
 (左写真)インド経営大学院バンガロール校(1977-1992、段階的に完成)の半屋外廊下
初期にル・コルビュジエやルイスカ-ンと一緒に働いてきたことから、ドーシはモダニズムの建築史や、モダニズム建築とインドやほかのアジアの国々とつながりの歴史に登場する人物です。
 
(右写真)インド経済大学院バンガロ-ル校 図書館内部
随所にル・コルビュジエの影響が感じられるモダンなデザインで、オープンなスペースを繋いで空間を作っています。フランス・パリのル・コルビュジエのもとで西洋的なモダニズムを習得しながら、インドに戻り東洋文化やインドの気候、風土、文化などと関連付けて作られるドーシの建築は非常に興味深いといえます。
 
(左写真)ライフ・インシュアランス・コーポレーションの社宅
ドーシがもっとも気に入っているプロジェクトのひとつ。1家族の数世代が同居できるように設計されています。
 
「私の仕事は、私の人生や哲学や夢の延長であり、私はそこで建築精神の宝庫を創造しようとしてるのです」ドーシは受賞に際しての発表でこう述べています。「この栄誉ある賞をいただけるのは、私の師であるル・コルビュジエのおかげです。彼の教えによって、私はアイデンティティに疑問を抱くようになり、持続可能で全体性を重視した生活環境を実現するため、地域に受け入れられる時代をとらえた最新の表現を発見せざるをえなくなったのです。私の仕事がこうして評価されることはとても感慨深く、努力の実った思いであり、心から謙虚に感謝の念をもって、プリツカー審査員の皆さまへお礼を申し上げます。今回の受賞によって、『ライフスタイルと建築がひとつになったとき、祝福がある』という私の信念を再確認しました。」
 
財団の発表によると、トム・プリツカー会長は選考理由を次のようにコメント。「ドーシ氏は、『デザインとは、シェルターを住宅に、住宅をコミュニティーに、都市を機会が集まる磁石に転換するものである』と語った。バルクリシュナ・ドーシ氏の生涯をかけた活動は、建築の芸術性と、人類への貴重な貢献を示して見せたという点で、まさにプリツカー賞が持つ使命を強調するものである。60年以上私たちのために尽力し続けてきた建築家に贈れることを光栄に思う」

 

 kinoshita

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