2015年4月14日(火)から19日(日)までの六日間、ロー・フィエラミラノにて開催された第54回Salone del Mobile.Milano(ミラノサローネ国際家具見本市)。たくさんのメディアが、レポ-トを発信中。気になる記事をpickupして、今年のトレンド分析記事をご紹介します。サロ-ネでは、中心となる家具と共に、キッチンと照明・オフィスが一年毎にフォーカスされるのですが、今年は照明とオフィスの年。
2015年のキーワードとしてあげられているのが「物語」。「美」についての「物語」はミラノサローネの真のテーマで、どのデザイナーもそれぞれが考える「美」を追求している、といいます。そういったデザインの物語を生むインスピレーションの源として、エスニック代表「アフリカ」、ミニマリズムとパステルカラー「北欧」、80年代のリバイバル「マイアミ」という三つの場所が上げられています。
気になるキ-ワ-ドは、やはり「北欧」エスニックを凌ぐブームとなっているのがローカルと、昨年からデザイン界を支配しているというノルディック・ミニマリズム。70年代スウェーデンを思わせるロナン&エルワン・ブルレックの「Kaari」(Artek)、繊細な脚線美に、北欧デザインの根底に流れる素材に対する敏感さを感じます。
毎年、大勢の人たちがミラノサローネへ来場しますが、会場の広さもとてもじゃないですが1日で廻れるような会場の広さではありません。東京ドーム11個分の幅0.57km、奥行き12km展示面積が約21万平方メートルほど。その中でも一際素敵な個展だったのが、デザインオフィス「nendo(ネンド)」のミラノサローネ13回目の出展となる「nendo works 2014-2015」が、イタリアの巨匠デザイナー、カスティリオーニ氏が改装したことで知られるミラノ市内の美術館「Museo della Permanente(ペルマネンテ美術館)」全館で、おこなわれました。国内外の21ブランドのために手がけた34コレクション200点以上の新作と、ヨーロッパで初めて発表する作品を展示。今回はそのなかでも注目を浴びた、グラスイタリアの作品が素敵です。ガラスのイメージを裏切るガラスの表現をかたちにした、「Glas Italia(グラスイタリア)」の「soft」は3種類のローテーブルで、いずれも5枚のフロストグラスを使った箱のような形状。ガラスとガラスのジョイントは、ともに断面の角度を45度にしたものを接着しており、その断面には鮮やかな色をプリントしています。パープルからレッド、オレンジからイエロー、ブルーからパープルというグラデーションがほどこされ、さらにこの色が平面のガラスに滲んだようなプリントをフロストガラスの裏面になされていることで、エッジの色が滲んでいるような、自然でやわらかい印象を作り出しています。
佐藤オオキ|SATO Oki
1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科首席卒業。2002年同大学大学院修了、デザインオフィスnendo設立。「小さな“!”を感じてもらうこと」をコンセプトとして、東京・ミラノ・シンガポールを拠点とし、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと多岐に渡るジャンルのデザインを手がける。
kinoshita
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